猿倉岳 ダウンバースト?疑惑                戻る 

 

ダウンバーストとは

 局所的な爆発的下降気流をダウンバーストという。
ダウンバーストは、気象現象の中でもきわめて激しい現象の一つで、強風は直線または曲線状に吹き広く発散し、その際に突風災害を引き起こす。

 猿倉岳の樹木被害の原因に考えられているのが、このダウンバーストである。



弘前大学の石田先生が継続調査中とのことです。
 八甲田山系猿倉岳の樹木被害

 猿倉岳における強風倒木調査 -2002年版-

 

2000/5/11  猿倉岳東斜面  ダウンバースト疑惑現場

 猿倉岳東南東、標高1070m付近(矢びつ橋の北東付近)で撮影。


風が吹き下ろしてきたと思われる猿倉岳方向

立木がなぎ倒されたり、枝が吹き飛ばされた様子


太い木(幹自体が若干弱っていた)が折れ、数十mは飛んでいた。


↑ 健全な生の枝も吹き飛ばされていた

・想像を絶するような風が吹いたのではと、推測される。
・樹木の倒れた方向は南東方向への一定方向、幅30〜50m程度。

・めったにない現象だと思うが、晴天以外は、この付近は、素早く通った方がいいかもしれない。

 この場所より風上の稜線に近い位置での被害調査の模様が報道(TVorデーリー東北だったような曖昧記憶)されていた。
下部でも、このような樹木の被害があったので、たまげました(驚いた)。

 

2003/6/13 コメント追記

弘前大学の石田先生のコメントです。 
 (リンク問い合わせの際のメールのやりとりの一部抜粋で、当HP掲載の許可はいただいています。)

 猿倉岳の倒木ですが、個人的な見解では、 まだダウンバーストと決めつけてはいません。
やはり、報道機関の方は、「ダウンバースト」という稀で激しい現象の方がインパクトがあるために、 つい使ってしまうのではないかと思います。

 決めつけない理由は、その確実な証拠がないからです。
別の研究者は、西側の地形が影響し谷地形で収束強化された 風が吹いたのではないか、という見解も示しています。
 そこで、私としては気の長い方法ですが、 現場に近いところで地道に風のデータを集めています。

 ダウンバーストに至らないまでも、そのような突風が起こる必要条件は寒冷前線通過時で雷を伴う場合です。そんな時に登山をされる方は、少なくとも頻繁に登山される方の中にはいないと思いますが、万一入山する必要がある場合は注意が必要です。

HP筆者(スタッフN)記

 報道されると、さも確定した事実のように思いこんでしまっていました。
  (一応、当HPの見出しでは、・・・疑惑?はつけてはいましたが。)
 また、寒冷前線通過時に留意した方がいいというご意見をいただき、寒冷前線のない晴天時あるいは普通の天気のときは、今までどおりのんびり歩けそうなんで貴重なコメントだと思います。
 石田様、ありがとうございました。
 
 猿倉温泉から矢櫃橋までの登山道は比較的平坦なので、悪天候でも歩く人もいるかもしれません。
 そういう方は上記のコメントを念頭に、気をつけましょう。

 まだ、はっきりと解明されていない現象とのことですが、いずれにしても山歩きは自己責任ですので、種々の情報を的確に(これが難しいが)判断し、なるべく安全に山を楽しみたいものです。

   


 

2004/4/3  デーリー東北紙 記事


 




2006/8/13  デーリー東北紙 記事 







2009/5/8  デーリー東北紙 記事 new





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